退職を決意したのに、上司にどう切り出せばいいかわからない。「怖い」「申し訳ない」「気まずい」——そんな気持ちで何日も先延ばしにしていませんか。
実は、退職の報告で最も悩まれるのが「いつ・どう切り出すか」という最初の一歩です。
この記事では、20代が上司に退職を切り出すときの「最初の一言」のセリフ例と、切り出す前にやっておくべき準備を具体的に解説します。読み終わるころには、「何を言えばいいか」が明確になっているはずです。
目次
退職を切り出せない20代は「あなただけ」じゃない|データで見る本音
まず知っておいてほしいのは、退職を切り出すのが怖いと感じているのはあなただけではないということです。
10,420名を対象に行った調査では、退職報告で最も不安なことの1位が「退職をいつ伝えるか」(39%)でした。さらに、経験者320名を対象にした調査では、退職報告で悩んだことの1位が「退職理由の伝え方」(320人中90人)、2位が「伝えるタイミング」(80人)という結果が出ています。
つまり、ほとんどの人が「どう切り出すか」で悩んでいます。
20代の場合、社歴が浅い分だけ独特の罪悪感を感じやすいものです。「まだ育ててもらっている最中なのに」「恩を仇で返すのでは」——そんな気持ちが出てくるのは自然なことです。
ただ、退職は労働者に認められた正当な権利です。民法627条では、期間の定めのない雇用契約は2週間前に申し出れば解約できると定められています。「申し訳ない」と思う気持ちは大切にしつつも、自分のキャリアを優先していい場面があることを忘れないでください。
怖いのは普通。でも、準備をすれば乗り越えられます。
退職を切り出す前にやるべき準備5ステップ

退職を切り出す不安の大半は「準備不足」から来ています。以下の5ステップを済ませてから切り出せば、心理的なハードルは大きく下がります。
ステップ1: 転職先の内定を確保する(または転職活動を始める)
転職先が決まっていれば、退職を切り出す覚悟が固まりやすくなります。「次がある」という安心感は、最初の一言を言うときの最大の後ろ盾です。
まだ転職活動を始めていない方は、まずエージェントに相談するところから始めましょう。20代なら20代特化型のエージェントに登録するのがおすすめです。大手総合型より親身に対応してもらえますし、書類添削や面接対策まで無料でサポートしてくれます。
→ 関連記事: 【体験談】20代・第二新卒におすすめの転職エージェント4選
ステップ2: 就業規則で退職届の提出期限を確認する
法律上は2週間前の申し出でOKですが、就業規則では「1ヶ月前」「2ヶ月前」と定めている会社がほとんどです。トラブルを避けるため、就業規則を事前に確認しておきましょう。
エン転職の調査では、実際に退職するまでにかかった期間は「1ヶ月〜2ヶ月未満」が40%で最多でした。退職希望日の1〜2ヶ月前に切り出すのが現実的な目安です。
ステップ3: 退職希望日を決める
引き継ぎ期間を逆算して、具体的な退職希望日を決めておきましょう。ただし、上司に伝えるときは「○月末を目安に考えています」くらいの余裕を持たせるのがコツです。断言すると角が立ちやすく、相談の余地を残すことで円満に進みやすくなります。
ステップ4: 退職理由を「ポジティブ変換」で整理する
本音の退職理由がネガティブなものでも、伝え方を工夫すれば問題ありません。実際、エン転職の調査では本当の退職理由を伝えなかった人は約4割です。本音を隠すのは珍しいことではありません。
ポジティブ変換の具体例は後述しますが、「不満」ではなく「挑戦したいこと」にフォーカスするのが基本です。
ステップ5: 最初の一言とシナリオを準備する
ここが本記事の核心です。「何と言って切り出すか」を事前に決めておくだけで、当日の緊張は大幅に和らぎます。次のセクションで、具体的なセリフ例を5パターン紹介します。
上司への「最初の一言」セリフ例5パターン
退職を切り出すときに最も大切なのは、「相談」ではなく「報告」の姿勢で伝えることです。「退職を考えているのですが…」と相談モードで切り出すと、引き止められる余地を自分から作ってしまいます。
パターン1: 基本形(対面)
「お忙しいところ恐れ入ります。退職のご報告をさせていただきたく、お時間をいただきました。」
最もシンプルで汎用性が高いセリフです。「ご相談」ではなく「ご報告」と言い切ることで、意思が固まっていることが伝わります。
パターン2: メール・チャットでアポを取る場合
「お忙しいところ失礼いたします。個人的にご報告したいことがあり、15分ほどお時間をいただけますでしょうか。」
メールやチャットでは退職の詳細には触れず、対面の場をセットすることだけに集中しましょう。「個人的なご報告」とだけ伝えれば、上司も察してくれることがほとんどです。
パターン3: 繁忙期の場合
「お忙しい時期に大変申し訳ありません。私事で恐縮ですが、直接お伝えしたいことがありまして。」
繁忙期に切り出すのは気が引けますが、タイミングを待ちすぎると退職日がずれてしまいます。お詫びの言葉を添えつつも、早めに伝えるのが結果的にお互いのためです。
パターン4: リモートワークの場合
「オンラインで恐縮ですが、直接お話ししたいことがあり、お時間をいただけますでしょうか。」
リモート環境では、ビデオ通話で顔を見ながら伝えるのがマナーです。チャットやメールだけで済ませるのは避けましょう。
パターン5: 関係が良好な上司の場合
「〇〇さんにはこれまで本当にお世話になりました。最初にお伝えしたいことがありまして。」
日頃から信頼関係がある上司には、感謝の言葉から入ると自然です。ただし、感謝を伝えすぎて「相談」モードにならないよう注意してください。
切り出した後の退職理由の伝え方|NG→OK変換例
最初の一言で退職の意思を伝えたら、次に聞かれるのが「理由」です。ここでは、よくあるNG例とOK例を対比で紹介します。
| NG(本音のまま) | OK(ポジティブ変換) |
|---|---|
| 人間関係がつらくて… | 新しい環境で〇〇に挑戦したいと考えました |
| 給料が低いので… | キャリアアップを目指し、△△の分野でスキルを伸ばしたいです |
| 残業が多すぎて… | ワークライフバランスを見直し、長期的にキャリアを築きたいと考えています |
| 仕事がつまらなくて… | 以前から興味のあった□□の分野に、20代のうちに挑戦したいです |
| 上司と合わなくて… | 自分の適性を見つめ直し、より力を発揮できる環境を探したいです |
繰り返しになりますが、本音をそのまま伝える必要はありません。約4割の人が本当の理由を伝えていないというデータもあります。退職理由はあくまで「次に向かう前向きな理由」に変換して伝えましょう。
退職届に書く理由は「一身上の都合により」の一文でOKです。詳しい理由を書面に残す必要はありません。
退職を切り出すベストタイミングと場所
タイミング
- 退職希望日の1〜2ヶ月前が目安(エン転職調査で40%が「1〜2ヶ月で退職完了」)
- 繁忙期は避けるのが理想。ただし、待ちすぎて転職先の入社日に間に合わないのは本末転倒
- 曜日・時間帯: 週明け〜水曜の午後がおすすめ。金曜の夕方に伝えると、上司が週末ずっと気にすることになる
場所
- 会議室など二人きりになれる場所が鉄則
- オープンスペースや飲み会の場はNG。周囲に聞かれるリスクがある
- リモートの場合はビデオ通話(カメラON)で
伝える順番
退職の意思は直属の上司に最初に伝えるのがマナーです。先に同僚や先輩に話してしまうと、上司の耳に噂として入る可能性があります。上司のメンツを潰すことになり、円満退社が遠のきます。
ビズヒッツの調査では、退職を上司に伝えた時間帯は「勤務時間中」32.6%、「終業後」30.9%とほぼ半々でした。上司のスケジュールに合わせて、落ち着いて話せる時間を選びましょう。
引き止められたときの対処法3選
退職を切り出すと、引き止められるケースは珍しくありません。特に20代は「戦力として期待されている」「育成コストをかけている」ため、会社側も簡単には手放したくないのが本音です。
「給与を上げるから残ってほしい」と言われた場合
待遇改善を提示されると心が揺れるかもしれません。しかし、一度上がった給与が今後も維持される保証はありませんし、退職を申し出た社員として社内での立場が変わるリスクもあります。退職理由が給与だけでない場合、根本的な解決にはなりません。
「もう少し待ってほしい」と言われた場合
「後任が決まるまで」「プロジェクトが終わるまで」と引き延ばされるパターンです。この場合は、「○月末までは引き継ぎに全力を尽くします」と期限を明確にしましょう。期限を曖昧にすると、ずるずると退職が延びてしまいます。
「考え直せ」と強く言われた場合
感謝の気持ちを伝えつつも、「熟考した結果です」と意思を崩さないことが大切です。退職は労働者の権利であり、会社に拒否する権限はありません。
引き止めへの詳しい対処法は、こちらの記事で詳しく解説しています。
→ 関連記事: 【体験談】円満退社のはずが泥沼化…退職の引き止めで失敗しないための交渉術
よくある質問
退職届と退職願の違いは?
退職届は「退職します」という確定の通知、退職願は「退職させていただけますか」というお伺いです。一般的には退職届を提出すればOKです。書面には「一身上の都合により、○年○月○日をもって退職いたします」と書きます。メールだけで退職を伝えてもいい?
原則として対面で伝えるのがマナーです。ただし、ハラスメントなどで対面が難しい場合は、メールで伝えることも法律上は問題ありません。その場合は「直接お伝えすべきところ、メールでのご連絡となり申し訳ございません」と一言添えましょう。退職理由は「一身上の都合」だけでいい?
退職届には「一身上の都合により」で十分です。口頭で理由を聞かれた場合は、前述のポジティブ変換例を参考に前向きな理由を伝えましょう。詳しい事情を話す義務はありません。上司が怖くてどうしても言えない場合は?
パワハラなどで直接伝えるのが困難な場合は、退職代行サービスという選択肢もあります。ただし、まずは転職エージェントに相談して転職先を確保することを優先しましょう。次が決まっていれば、切り出す勇気も湧きやすくなります。試用期間中でも退職できる?
法律上、試用期間中でも2週間前に申し出れば退職できます。「試用期間だから辞められない」ということはありません。就業規則も確認しつつ、通常の退職と同じ手順で進めて問題ありません。まとめ
退職を上司に切り出すのは、誰にとっても緊張するものです。エン転職の調査でも、退職報告で最も不安なのは「いつ・どう伝えるか」でした。怖いと感じるのは、あなたが真面目に仕事に向き合ってきた証拠です。
ただ、「準備」と「セリフ」さえあれば、最初の一言は乗り越えられます。
覚えておいてほしいのは、退職を切り出すときの最初の一言は「退職のご報告をしたい」——この一言だけです。あとは準備した流れに沿って話すだけで大丈夫です。
そして、転職先を決めてから切り出すのが最も安心です。まだ次が決まっていないなら、まずは20代特化型のエージェントに相談してみてください。書類添削・面接対策・退職のタイミング相談まで、無料でサポートしてくれます。
→ まずはここから: 【体験談】20代・第二新卒におすすめの転職エージェント4選
