転職回数が多いと不利？採用担当者の本音と書類・面接で好印象を与える伝え方

「もう3社目か…転職回数が多いと、やっぱり不利なのかな？」
「面接で『うちもすぐに辞めちゃうんじゃない？』って思われてそうで、自信を持って話せない…」

経歴書に並ぶ社名の数を見るたび、そんな不安に押しつぶされそうになっていませんか？

何を隠そう、私自身もキャリアチェンジのために転職を経験し、人材業界で多くの求職者と企業を見てきました。だからこそ、転職回数の多さに悩むあなたの気持ちが痛いほど分かります。

書類選考でなかなか通らなかったり、面接で経歴について厳しく問われたりすると、「自分のキャリアは失敗だったのかもしれない」と落ち込んでしまいますよね。

でも、結論から言えば、転職回数が多いことは決して「終わり」ではありません。 むしろ、伝え方次第では「経験豊富で適応力が高い」という強力な武器に変わります。

この記事では、採用担当者が転職回数をどう見ているかという「本音」から、書類・面接であなたの経歴を魅力的に伝える具体的な方法まで、徹底的に解説します。

この記事を読み終える頃には、あなたは転職回数への不安から解放され、自信を持って次のキャリアへ踏み出せるようになっているはずです。

そもそも転職回数は何回から「多い」と思われる？

まず気になるのが、「何回以上の転職で『多い』と判断されるのか？」という点ですよね。

明確な定義はありませんが、一般的には20代で3回以上の転職経験があると、「多い」という印象を持つ採用担当者が増え始める傾向にあります。

ただし、これはあくまで一般的な目安です。ベンチャー企業などでは多様な経験が歓迎されることもありますし、年齢が上がるにつれて回数の許容度も上がっていきます。

大切なのは、回数の多さそのものに一喜一憂することではなく、「なぜ企業が転職回数を気にするのか？」という本質を理解することです。

具体的には、以下の3つの点をチェックしています。

企業が最も恐れているのが、早期離職です。時間とコストをかけて採用した人材がすぐに辞めてしまうと、会社にとっては大きな損失となります。そのため、「ストレス耐性が低いのかな？」「うちの会社でも合わなかったらすぐに辞めてしまうのでは？」という視点で見ています。

転職理由に一貫性がない場合、「行き当たりばったりでキャリアを考えているのでは？」「自社でのキャリアプランも描けないのでは？」と判断されがちです。職種や業界がバラバラだと、専門性が身についていない「器用貧乏」な人材だと見なされるリスクもあります。

「人間関係の構築が苦手なのかな？」「仕事への責任感に欠ける部分があるのでは？」など、本人に何か課題があるのではないか、という点も気にします。

これらの懸念点を理解し、「自分はそうではない」ということを論理的に説明することが、転職回数の壁を乗り越える鍵となります。

まずは、これまでのキャリアを振り返り、すべての転職に共通する「軸」を見つけ出す作業から始めましょう。

各社での経験・スキルを書き出す：
どんな業務を担当し、どんなスキルが身についたか、些細なことでもすべて書き出します。
転職理由を正直に書き出す：
なぜその会社を辞めようと思ったのか、ネガティブな理由も含めて正直に書き出します。（例：「給料が低かった」「人間関係が合わなかった」）
理由をポジティブに変換する：
ネガティブな理由を、キャリアアップやスキル習得といったポジティブな動機に変換します。（例：「給料が低い」→「成果が正当に評価される環境で働きたい」）
すべての転職に共通する「軸」を見つける：
ポジティブ変換した理由を眺め、「自分は仕事を通じて何を実現したいのか？」という一貫した軸（キャリアの軸）を言語化します。（例：「未経験からでも挑戦できる環境で、マーケティングの専門性を高めたい」）

私自身、新卒でゼネコンに入社し、「頑張りが給料に反映される仕事がしたい」という思いから未経験で人材業界に飛び込みました。一見バラバラなキャリアですが、「成果を正当に評価してほしい」という一貫した軸があったのです。

職務経歴書では、ただ経歴を羅列するのではなく、「これまでの経験を活かして、貴社でこのように貢献できます」という点を明確に示します。

サマリー（職務要約）を工夫する：
冒頭のサマリーで、キャリアの軸と、応募企業で活かせる経験・スキルを簡潔にまとめます。
実績は数字で示す：
各社での実績は「〇〇を改善し、売上を〇%向上させた」のように、具体的な数字を用いて示し、再現性のあるスキルを持っていることをアピールします。
応募企業との関連性を強調する：
経験した業務内容の中から、応募企業の仕事内容と関連性の高いものを重点的に記載します。