「そろそろ転職しようかな…」
そう思って求人サイトを見始めたとき、多くの人が最初にぶつかる壁。それが応募書類の準備ではないでしょうか。
「履歴書と職務経歴書って、どっちも同じようなものじゃないの?」 「何が違うのかよく分からないし、何を書けばいいのか…」
初めての転職活動なら、そう感じて手が止まってしまうのも無理はありません。
何を隠そう、私自身がそうでした。新卒で入社した会社を辞め、初めて転職活動をした時、この2つの書類の違いをまったく理解していませんでした。
「とりあえず書けばいいだろう」と甘く考えていた結果、応募した企業の書類審査に100社以上も落ち続けた苦い経験があります。
でも、安心してください。この記事を読めば、あなたは私と同じ失敗を繰り返す必要はありません。
転職メディア「Joborn」を運営する私が、自身の失敗談も交えながら、「履歴書」と「職務経歴書」の決定的な違いから、採用担当者に「会いたい!」と思わせる書き分けのポイントまで、どこよりも分かりやすく解説します。
きっと、あなたは応募書類に対するモヤモヤが完全に消え、自信を持って転職活動の第一歩を踏み出せるようになっているはずです。
目次
一目でわかる!履歴書と職務経歴書の決定的な違い

まず、結論からお伝えします。2つの書類の役割は、一言でいうとこうです。
- 履歴書:あなたが「どんな人物か」を伝える『自己紹介状』
- 職務経歴書:あなたが「何ができて、どう貢献できるか」を伝える『実績のプレゼン資料』
履歴書があなたのプロフィールを客観的に示す公的な書類だとすれば、職務経歴書はあなたのビジネススキルと経験をアピールするための自由な表現の場、と言えるでしょう。
この2つの違いを、もう少し詳しく比較表で見てみましょう。
項目 | 履歴書 | 職務経歴書 |
役割 | 応募者の基本情報を伝える「自己紹介状」 | 仕事の経験やスキルを伝える「プレゼン資料」 |
目的 | 応募者が募集要件を満たしているか、人柄や経歴の概要を把握するため | 応募者が入社後、即戦力として活躍できるか、具体的なスキルや実績を見極めるため |
書式 | JIS規格など、決まったフォーマットがある | 決まったフォーマットはなく、自由(A4用紙1〜2枚が一般的) |
主な内容 | 氏名、年齢、学歴、職歴の要約、資格、本人希望欄など | 職務要約、職務経歴の詳細、活かせるスキル、自己PRなど |
重要度 | 特に新卒や第二新卒で重視される傾向 | キャリア採用(特に20代後半以降)で最も重視される |
このように、似ているようで全く役割が異なることが分かりますね。
なぜ2種類の書類が必要?採用担当者はココを見ている!

では、なぜ企業はわざわざ2種類の書類を提出させるのでしょうか。それは、採用担当者がそれぞれの書類から知りたい情報が違うからです。
履歴書で見るのは「人柄」と「基本情報」
採用担当者は、履歴書からまず以下の点を確認します。
- 年齢、居住地、学歴などの基本情報が募集要件に合っているか
- 写真の表情や全体の丁寧な書き方から、誠実さや丁寧さといった「人柄」
- 通勤時間はどれくらいか
- 転職回数が多くないか
- 資格やスキルが業務に関連するか
履歴書は、あなたという人間を大まかに理解するための「入口」です。ここで「雑な書き方だな」「写真の印象が悪いな」と思われてしまうと、その先にあるあなたの素晴らしい実績が書かれた職務経歴書を読んでもらえない可能性すらあります。
職務経歴書で見るのは「スキル」と「即戦力性」
履歴書で基本的な情報を確認した採用担当者が、次に最も時間をかけて読み込むのが職務経歴書です。ここで見ているのは、ただ一つ。
「この人は、入社後に自社で活躍してくれるだろうか?」
具体的には、以下のポイントをチェックしています。
- これまでの業務でどんな実績を上げてきたのか(数字で示せているか)
- 自社で活かせる専門的なスキルや経験を持っているか
- 仕事に対する姿勢や工夫、問題解決能力はどうか
- キャリアプランに一貫性があるか
職務経歴書は、あなたの「営業ツール」です。過去の実績を根拠に、「私を採用すれば、御社にこんなメリットがありますよ」とプレゼンテーションする場なのです。
【体験談】私が書類で落ちまくった理由と、気づいたこと
私が初めての転職で100社以上も書類選考に落ちた最大の原因は、この役割の違いを全く理解していなかったことでした。
当時の私は、職務経歴書にただ「〇〇をしていました」と業務内容を箇条書きにするだけ。履歴書の自己PRと同じような内容をコピペしていました。
これでは、採用担当者からすれば「で、あなたは何ができるの?どんな成果を出したの?」と疑問に思うだけです。私の書類には、「私を採用するメリット」が全く書かれていなかったのです。
この失敗から、私は「職務経歴書は、具体的なエピソードと数字で自分の価値を証明する場所なんだ」と痛感しました。この視点を持って書き直してから、驚くほど書類選考の通過率が上がったのです。
【項目別】履歴書と職務経歴書の書き分け完全ガイド

では、具体的にどう書き分ければ良いのでしょうか。特に重要となる「自己PR」「志望動機」「職歴」の3つの項目について、書き分けのポイントを解説します。
自己PR欄:履歴書では「人柄」、職務経歴書では「スキル」を強調
- 履歴書
- 役割: あなたの強みや仕事への姿勢といった「人柄」を伝える。
- 書き方のポイント: 結論ファーストで強みを述べ、それを裏付ける簡単なエピソードを添える。「コミュニケーション能力」「責任感の強さ」など、ポータブルスキル(どんな仕事でも活かせる能力)を中心に書くと良いでしょう。
- 例文(事務職志望の場合):
私の強みは「相手の意図を汲み取り、先回りして行動する力」です。現職の営業事務では、営業担当が何を求めているかを常に考え、頼まれる前に必要な資料を準備することで「〇〇さんがいると仕事がスムーズに進む」と評価されてきました。この強みを活かし、貴社でも円滑な業務遂行に貢献したいです。
- 職務経歴書
- 役割: 応募企業で直接的に活かせる「専門スキルや実績」を具体的にアピールする。
- 書き方のポイント: 履歴書で書いた強みを、より具体的な業務実績や数字を用いて証明します。「〇〇というスキルを使い、△△を××%改善しました」のように、誰が読んでも成果がわかるように書くのが鉄則です。
- 例文(事務職志望の場合):
【活かせる経験・スキル】 1. 業務効率化のスキル 担当していた営業部門の請求書発行プロセスにおいて、手作業による入力ミスと確認作業の重複が課題でした。そこで、ExcelのVLOOKUP関数とピボットテーブルを用いたフォーマットを新たに作成・導入し、入力ミスを90%削減。月間で約10時間の作業時間短縮を実現しました。 2. 高度なPCスキル ・Microsoft Word/Excel(VLOOKUP、ピボットテーブル) ・Microsoft PowerPoint(顧客向け提案資料の作成経験あり)
志望動機欄:履歴書では「熱意」、職務経歴書では「貢献できること」を具体的に
- 履歴書
- 役割: なぜこの会社で働きたいのか、という「共感」や「熱意」を伝える。
- 書き方のポイント: 企業の理念や事業内容に惹かれた点と、自身の価値観がどう合致しているかを結びつけます。「なぜ同業他社ではなく、この会社なのか」を明確にすることが重要です。
- 例文:
貴社の「〇〇という理念」に深く共感し、志望いたしました。現職で培った業務効率化のスキルを活かし、お客様の満足度向上を追求する貴社の事業に貢献したいという思いが強くあります。
- 職務経歴書
- 役割: 自身のスキルや経験を活かして、入社後に「どう貢献できるか」を具体的にプレゼンする。
- 書き方のポイント: 企業の事業課題や今後の展望を自分なりに分析し、それに対して自分のスキルがどう役立つのかをロジカルに説明します。履歴書よりも一歩踏み込んだ、具体的な貢献イメージを提示しましょう。
- 例文:
貴社の〇〇事業において、私の「データ分析に基づいた業務改善スキル」が貢献できると考えております。前職で培ったExcelスキルを活かして営業データを分析し、非効率な業務プロセスを特定・改善することで、営業部門全体の生産性向上に貢献できると確信しております。
職歴欄:履歴書は「要約」、職務経歴書は「詳細」に
- 履歴書
- 役割: これまでの経歴を簡潔に、分かりやすくまとめる。
- 書き方のポイント: 「株式会社〇〇 入社」「一身上の都合により退職」のように、事実を時系列で淡々と記載します。
- 職務経歴書
- 役割: 会社ごと、プロジェクトごとに、「何を」「どのように」行い、「どんな成果」を出したかを詳細に説明する。
- 書き方のポイント:
- 所属: 会社名、部署、役職、在籍期間
- 業務内容: 箇条書きで分かりやすく記載
- 実績・取り組み: 具体的な数字(売上、コスト削減率、顧客満足度など)を必ず入れる
- 例文:
株式会社〇〇(2022年4月~現在) 事業内容:〇〇 / 資本金:〇〇円 / 従業員数:〇〇名 【所属部署・役職】 営業本部 営業企画部 営業事務(メンバー) 【業務内容】 ・営業担当5名のサポート業務(資料作成、データ入力、電話・メール対応) ・請求書、見積書の作成・管理 ・顧客データの管理・分析 【実績・取り組み】 ◆請求書発行プロセスの改善による業務効率化 Excelマクロを活用した半自動化ツールを独学で作成し、チーム全体の月間残業時間を平均20時間削減することに成功しました。
初めての転職で失敗しないための応募書類Q&A
ここでは、20代の方が抱きがちな応募書類に関する素朴な疑問にお答えします。
Q1. 手書きとPC作成、どっちがいい?
結論、どちらでも問題ありませんが、特別な指定がない限りPCでの作成をおすすめします。
- PC作成のメリット:
- 修正が簡単
- 読みやすい
- 使い回しができる(※志望動機などは必ず企業ごとに書き換えること)
- 手書きが求められる場合:
- 企業から指定があった場合
- 手書きの文字から人柄を見たいと考えている伝統的な企業の一部
IT業界やベンチャー企業などでは、PCスキルを示す意味でもPC作成が基本です。
Q2. フォーマットはどこで手に入れる?
厚生労働省のサイトや、大手転職サイトで配布されているテンプレートを使用するのが一般的です。
履歴書はJIS規格に基づいたものが無難です。職務経歴書は決まった形式がないため、自身の経歴をアピールしやすいものを選びましょう。
- 参考:厚生労働省 履歴書様式例
Q3. 写真のサイズや服装のルールは?
- サイズ: 一般的には「縦40mm × 横30mm」です。
- 服装: 清潔感のあるスーツが基本です。髪型やメイクも派手すぎず、清潔感を意識しましょう。
- その他: 3ヶ月以内に撮影したものを使用し、スナップ写真やアプリで過度に加工したものは絶対にNGです。写真館で撮影してもらうのが最も安心です。
Q4. 提出するときのマナーは?(封筒、クリアファイル、メール)
- 郵送の場合:
- 書類はクリアファイルに挟んでから、A4サイズが入る角形2号の白い封筒に入れる。
- 封筒の表面には赤字で「応募書類在中」と記載する。
- メールの場合:
- 履歴書と職務経歴書はPDF形式に変換して添付する。
- ファイル名は「履歴書_氏名」「職務経歴書_氏名」のように分かりやすくする。
- パスワードを設定するよう指示されている場合は、パスワードを別のメールで送るのがマナーです。
書類作成に自信がない…そんな20代が頼るべき”最強の味方”とは?
ここまで読んで、「違いは分かったけど、いざ自分で書くとなるとやっぱり不安…」と感じている方もいるかもしれません。
それもそのはず。独学での書類作成には、どうしても限界があります。
- 客観的な視点が欠ける: 自分の強みを正しく認識できていない可能性がある。
- 企業が求める人物像が分からない: 企業側の視点がないため、的外れなアピールになりがち。
- 最新の転職市場の動向が分からない: どんなスキルが評価されるのか、情報が不足する。
私自身、100社以上も書類で落ち続けた後、藁にもすがる思いで利用したのが転職エージェントでした。そして、その効果は絶大でした。
転職エージェントを使えば、書類選考の通過率が劇的に上がる
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- プロによる書類の添削: あなたの経歴の中から、企業に響く強みや実績を一緒に掘り起こし、魅力的な文章にしてくれる。
- 企業ごとの対策: 企業の内部情報に詳しいため、「この企業には、このスキルをこうアピールしましょう」と具体的なアドバイスをくれる。
- 非公開求人の紹介: 一般には公開されていない、優良企業の求人を紹介してもらえる。
もしあなたが、
「初めての転職で絶対に失敗したくない」
「自分の強みが分からず、自己PRが書けない」
「書類選考で落ち続けて、もう心が折れそう…」
と感じているなら、一度プロに相談してみることを強くおすすめします。
【PR】20代・未経験に強い!おすすめ転職エージェント
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▼その他の転職エージェントについてはこちらを参考に
まとめ|違いを理解して、自信を持って転職活動の第一歩を踏み出そう!
今回は、「履歴書」と「職務経歴書」の決定的な違いと、書き分けのポイントについて解説しました。
最後に、重要なポイントをもう一度おさらいしましょう。
- 履歴書は「自己紹介状」: あなたの人柄と基本情報を伝えるもの
- 職務経歴書は「プレゼン資料」: あなたのスキルと実績で「採用メリット」を伝えるもの
- 採用担当者は、職務経歴書から「即戦力性」を見極めている
- 書き分けに自信がなければ、転職エージェントというプロを頼るのが成功への近道
応募書類は、未来の職場への「最初の扉」を開くための大切なカギです。
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あなたの転職活動が、素晴らしい未来に繋がることを心から応援しています。