「正社員で入社したのに、賞与がまったくない」
給料日のたびにモヤモヤして、SNSで友人のボーナス報告を見るたびに胸がざわつく。そんな経験はありませんか?
実は、賞与を支給していない企業は全体の約3割にのぼります。あなただけが取り残されているわけではありません。
ただし「みんなそうだから」で片づけてはいけない問題でもあります。20代のうちに賞与あり企業へ移るかどうかで、生涯年収に最大1,750万円もの差が生まれるからです。

この記事では、賞与なしの実態データから違法性の判断、転職すべきかの基準まで、20代が後悔しないための情報をまとめました。
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この記事でわかること
- 賞与なし企業の割合と、20代の平均ボーナス額
- 賞与なしが「違法」になるケースと確認手順
- 辞めるべきか残るべきかを判断する5つの基準
目次
賞与なしの会社はどのくらいある?最新データで見る実態
中小企業の約3割がボーナスを支給していません。「自分だけ損している」と感じるかもしれませんが、同じ境遇の人は想像以上に多いのが現実です。
企業規模別の賞与支給率
賞与を出すかどうかは、企業規模によって大きく異なります。
| 企業規模 | 賞与支給率 | 年間賞与の目安 |
|---|---|---|
| 大企業(従業員500人以上) | 約90% | 約84.6万円(夏季のみ) |
| 中堅企業(100〜499人) | 約80% | 月給の約4ヶ月分 |
| 中小企業(5〜99人) | 約66〜70% | 月給の約0.8〜0.9ヶ月分 |
大企業では賞与が「もらえて当然」の世界。一方、従業員100人未満の企業では約3割がボーナスなし。しかも支給されても月給1ヶ月分に届かないケースが珍しくありません。
20代の平均ボーナス額はいくら?
同世代がどのくらいもらっているのか、気になるところです。
| 年齢 | 年間ボーナス平均 | 手取り目安 |
|---|---|---|
| 20〜24歳 | 約37.9万円 | 約29万円 |
| 25〜29歳 | 約66.3万円 | 約52万円 |
| 20代全体 | 約86.8万円 | 約68万円 |
20代全体の平均は月収の約2.5ヶ月分。ただしこれは賞与をもらっている人だけの平均です。賞与ゼロの人を含めれば、中央値はもっと下がります。
業種別で見る「賞与なし」が多い業界
業界によって賞与の水準はまるで違います。
| 業種 | 年末賞与の平均(従業員5〜29人) |
|---|---|
| 電気・ガス・熱供給等 | 約58万円 |
| 金融業・保険業 | 約54万円 |
| 情報通信業 | 約40万円 |
| 製造業 | 約32万円 |
| 飲食サービス業等 | 約4.6万円 |
飲食サービス業の約4.6万円は、「支給あり」でもほぼゼロに等しい水準。同じ正社員でも、業界選びだけで年間50万円以上の差。この事実を知らないまま就職先を選んでいる20代は少なくありません。
賞与なしは違法?知っておくべき法律の基本
賞与の支給は法律上の義務ではありません。ただし、就業規則や労働契約の内容次第では違法になるケースもあります。
労働基準法での賞与の位置づけ
まず結論から言うと、会社は賞与を払わなくても法律違反にはなりません。
労働基準法では、賞与を「定期又は臨時に支払われるもので、支給額があらかじめ確定されていないもの」と定義しています。給与とは異なり、支給義務は定められていません。
就業規則に「業績により支給しないことがある」と記載されていれば、ボーナスゼロでも合法です。
違法になる3つのケース
ただし、以下に該当する場合は話が変わります。
ケース1:就業規則に支給基準が明記されている
「毎年6月と12月に、基本給の○ヶ月分を支給する」のような具体的な記載がある場合、賞与は「賃金」として支払い義務が生じます。
ケース2:求人票に「賞与あり」と記載されていた
求人票の条件と実態が異なる場合、労働条件の明示義務に違反する可能性があります。根拠は職業安定法第5条の3です。入社前にもらった求人票は必ず保管してください。
ケース3:不合理な待遇差がある
同じ仕事をしている正社員には賞与が出て、契約社員には出ないといった場合、パートタイム・有期雇用労働法に基づく「同一労働同一賃金」違反の可能性があります。
「おかしい」と感じたときの確認ステップ
「うちの会社、本当にこれで合法なの?」と感じたら、以下の順番で確認してみてください。
- 就業規則の賞与規定を確認する — 総務部に「閲覧したい」と伝えれば開示義務があります
- 労働契約書・労働条件通知書を見直す — 入社時に受け取った書類に賞与の記載があるか
- 求人票の内容を確認する — 「賞与あり」「賞与年2回」などの記載がなかったか
- 労働基準監督署に相談する — 上記に疑問があれば無料で相談できます
「確認するのが怖い」という気持ちはわかります。でも、権利を知らないまま損をし続けるほうがよほどリスクです。
なぜ賞与が出ない?賞与なし企業の5つの特徴
「ボーナスなし=ブラック企業」と思い込んでいませんか? 実は、賞与がない理由はさまざまです。あなたの会社がどのタイプに当てはまるか、チェックしてみてください。
1. 業績不振で支給できない
最もわかりやすいパターンです。赤字決算が続いている、業界全体が縮小しているなど、会社に「出したくても出せない」事情がある場合。この場合は会社の将来性自体を見直す必要があります。
2. 年俸制で基本給に組み込んでいる
IT企業や外資系に多いパターン。年俸を12分割して毎月支給するため、賞与という名目の支給がありません。月給が同業他社より高いなら、実質的にはボーナス込みと考えられます。
3. スタートアップ・ベンチャーで制度が未整備
創業間もない会社では、賞与制度自体が存在しないことも。ストックオプションや業績連動インセンティブで代替しているケースもあります。
4. 労働組合がなく交渉力が弱い
中小企業の多くには労働組合がありません。賞与は労使交渉で決まることが多いため、交渉する仕組み自体がないと、経営者の裁量次第になりがちです。
5. そもそも賞与制度を設けていない
「最初から賞与を出す気がない」というケース。求人票に「賞与なし」と明記されていればルール上は問題ありませんが、入社後に知らされた場合は注意が必要です。
あなたの会社はどのタイプ?
| タイプ | 深刻度 | 次のアクション |
|---|---|---|
| 業績不振 | 高 | 会社の財務状況・業界動向を調べる |
| 年俸制 | 低 | 月給×12で年収を同業他社と比較する |
| スタートアップ | 中 | 将来の賞与制度導入予定を確認する |
| 組合なし | 中 | 昇給実績・他の福利厚生を確認する |
| 制度なし | 高 | 年収総額で市場価値と比較する |
賞与なしで働くメリットはあるのか
年俸制やインセンティブ型の会社なら、賞与がなくても年収ベースでは有利なケースがあります。「賞与なし=損」と決めつける前に、冷静にメリットを整理しましょう。
基本給が高く設定されている場合がある
月給30万円×12ヶ月=年収360万円の賞与なし企業と、月給25万円×12ヶ月+賞与50万円=年収350万円の賞与あり企業。年収で比べると、賞与なしの方が10万円多い計算になります。
賞与の有無だけでなく、必ず年収総額で比較してください。
年収が安定する
賞与は業績連動で変動します。「去年は3ヶ月分出たのに、今年は1ヶ月分」というケースは珍しくありません。その点、月給固定の年俸制なら毎月の収入が予測しやすく、家計管理がしやすいメリットがあります。
退職時期にボーナスを気にしなくていい
「ボーナスもらってから辞めよう」と退職のタイミングを引き延ばす人は多いもの。賞与がなければ、自分のベストなタイミングで転職活動に集中できます。
在職中の転職活動が不安な方は「転職活動は在職中にバレる?原因6つと対策」も参考にしてください。
賞与なしのデメリットと20代への影響
ここからは、賞与なしが20代のあなたに与える具体的なダメージを見ていきます。とくに生涯年収への影響は、早い段階で知っておくべきです。
生涯年収シミュレーション — 25歳から35年間の差
Joborn編集部で、賞与あり・なしの生涯年収差を試算しました。
条件:月給25万円、25歳〜60歳(35年間勤務)
| 項目 | 賞与あり(年2ヶ月分) | 賞与なし |
|---|---|---|
| 月給(年間) | 300万円 | 300万円 |
| 賞与(年間) | 50万円 | 0円 |
| 年収合計 | 350万円 | 300万円 |
| 35年間の総収入 | 1億2,250万円 | 1億500万円 |
| 差額 | — | ▲1,750万円 |
35年間で1,750万円の差。これは東京都内の中古マンション1戸分に相当する金額です。
しかも、この試算は昇給を考慮していません。賞与は基本給に連動するため、昇給するほど差は広がります。30代・40代と年齢を重ねれば、実際の差額は2,000万円を超える可能性もあります。
「たかがボーナス」と思うかもしれません。しかし20代の「今」動くかどうかで、これだけの差がつくのが現実です。
年収差について詳しく知りたい方は「20代で転職すると年収は下がる?上がるケースと判断基準」も参考にしてください。
貯蓄・ローン審査への影響
賞与がないと、日々の生活費以外に回せるお金が限られます。
- 貯蓄ペースが遅くなる:ボーナス月にまとめて貯金する習慣がつくれない
- 住宅ローンの審査で不利になることがある:年収に占める賞与の割合が審査に影響するケース
- ボーナス払いが使えない:車や家電のローンで不便を感じる場面
とくに20代後半で結婚や住宅購入を考え始めると、賞与の有無が家計設計に大きく響きます。
モチベーション低下のリスク
Joborn編集部にも「ボーナスがないせいで、頑張る理由が見つからない」という相談が寄せられます。
同期が「ボーナスで旅行に行く」と話すのを聞くたびに、やるせなさを感じる。成果を出しても金額で報われない虚しさ。こうした感情の蓄積は、キャリアの停滞に直結します。
「お金がすべてではない」のは事実です。ただ、正当な対価を受け取れない環境に居続けることは、あなたの市場価値を下げるリスクにもなります。
上司との関係がモチベーション低下の原因になっている方は「上司と合わないときの転職判断ガイド」も参考にしてください。
賞与なしの会社は辞めるべき?20代の転職判断5つの基準
「賞与なし=即転職」ではありません。以下の5つの基準で、あなたの状況を総合的に判断してください。

基準1:年収総額で比較する
月給×12ヶ月+賞与+各種手当の合計で年収を計算してください。年収総額が業界平均を上回っているなら、賞与なしでも問題ない可能性があります。
dodaやマイナビ転職で同業種・同年代の年収レンジを調べ、自分の年収と比較してみましょう。
基準2:昇給実績を確認する
過去3年間で基本給がどのくらい上がったかを確認してください。年1万円以上の昇給があるなら、賞与なしでも将来的に年収は伸びる余地があります。
逆に3年間まったく昇給していないなら、賞与なし+昇給なしのダブルパンチです。早めに動くことを検討してください。
基準3:スキルが身についているか
今の会社で、転職市場で評価されるスキルが身についているかどうか。もし希少なスキルや経験を積めているなら、一時的に賞与がなくても「投資期間」と割り切れます。
ただし「なんとなく3年いた」だけでは、転職市場での武器にはなりません。第二新卒として動ける期間については「第二新卒はいつまで?何歳まで使えるか徹底解説」で確認できます。
基準4:業界・職種の将来性
業界自体が成長しているなら、今は賞与が出なくても将来的に待遇が改善される可能性があります。縮小傾向の業界で賞与なしなら、早めのキャリアチェンジが賢明です。
3年目で異業種転職を検討している方は「社会人3年目の異業種転職ガイド」もあわせて読んでみてください。
基準5:今の会社に3年後もいたいか
最後は直感的な問いです。「3年後もこの会社で働いている自分」を想像して、ワクワクするか、ゾッとするか。
Joborn編集部が取材した20代転職者の中に、「年収で判断せず、居心地の良さだけで5年いた結果、同期と200万円の年収差がついた」という方がいました。居心地だけで判断するのは危険です。
「仕事がつまらない」という漠然とした不満を抱えている方は「仕事がつまらないと感じる20代がやるべきこと」で、不満の正体を整理してみてください。
内定承諾を迷っている段階の方は「転職の内定承諾を迷うときの判断軸」も参考にしてください。
上記の5つを整理した結果、「年収総額が低い」「昇給もない」「スキルも身につかない」が3つ以上当てはまるなら、転職を具体的に検討する段階です。
転職エージェントに相談すれば、賞与込みの年収条件を最初からすり合わせてくれます。「まだ迷っている」段階でも相談OK。現状の年収が適正かどうか、プロの目で判断してもらえます。
転職で何社受けるべきか悩んでいる方は「転職は何社受けるべき?20代の平均応募数」も参考にしてください。
賞与なしから年収を上げる3つの方法
年収を上げるルートは「現職で交渉」「スキルアップ」「転職」の3つ。20代なら転職がもっとも即効性があります。
方法1:現職で給与交渉する
意外に見落とされがちですが、賞与制度の導入や基本給アップを会社に提案するという選択肢もあります。
交渉のポイントは3つです。
- タイミング:期末面談や人事評価の時期に合わせる
- 根拠:業界水準のデータを用意して「自分の貢献」と「市場相場」を提示する
- 代替案:賞与が無理なら、住宅手当や資格手当など他の形での還元を提案する
ただし、中小企業では制度変更のハードルが高いのも事実。交渉しても変わらなかった場合は、次の手段に移りましょう。
方法2:副業・スキルアップで市場価値を上げる
賞与がない分、自分で稼ぐ力を身につけるという発想です。
- 副業:Webライティング、プログラミング、動画編集など、本業のスキルと掛け算できるもの
- 資格取得:簿記、宅建、ITパスポートなど、転職市場で評価される資格
- 自己投資:オンラインスクールや勉強会への参加
副業で月3〜5万円の収入があれば、年間36〜60万円。賞与がないぶんを副業で補える計算になります。
方法3:転職で年収を上げる — 求人票の「賞与あり」の正しい読み方
20代の転職では、年収50〜100万円アップの事例が珍しくありません。ただし、求人票の「賞与あり」をそのまま信じるのは危険です。
求人票チェックリスト
| 記載 | 注意度 | 意味 |
|---|---|---|
| 賞与年2回(前年実績3ヶ月分) | 低 | 実績ベースで比較的信頼できる |
| 賞与年2回(業績連動) | 中 | 業績次第でゼロの可能性もある |
| 賞与あり | 高 | 金額不明。入社前に必ず確認すべき |
| 記載なし | 最高 | 賞与制度自体がない可能性大 |
転職エージェントを通せば、求人票に書かれていない賞与の実態や、年収交渉をプロに任せられます。とくに20代向けの転職エージェントは、年収交渉のノウハウを豊富に持っています。
退職の切り出し方に不安がある方は「退職の切り出し方ガイド|上司への伝え方」も参考にしてください。
転職エージェントの断り方が気になる方は「転職エージェントの断り方|場面別メール例文」を参考にしてください。
転職を親に反対されて悩んでいる方は「転職を親に反対される20代への説得法と判断基準」もあわせてどうぞ。
転職エージェントに登録すると、あなたの経歴に合った「賞与あり」の非公開求人を紹介してもらえます。まずは自分の市場価値を知ることから始めてみてください。
よくある質問
賞与なしの会社は全体の何割ですか?
中小企業(従業員5〜99人)の約3割が賞与を支給していません。大企業(従業員500人以上)では約90%が支給しており、企業規模によって大きく異なります。(出典:厚生労働省 毎月勤労統計調査)賞与なしは違法ですか?
労働基準法上、賞与の支給義務はないため、原則として違法ではありません。ただし、就業規則や労働契約に支給基準が明記されている場合、または求人票に「賞与あり」と記載されていた場合は違法になる可能性があります。賞与なしで退職金はもらえますか?
賞与と退職金は別の制度です。賞与がなくても退職金制度がある会社は存在します。ただし、中小企業では退職金制度自体がないケースも約25%あります。就業規則で確認してください。賞与なしの会社に転職するメリットはありますか?
年俸制で基本給が高く設定されている場合、年収ベースでは賞与あり企業と同等以上になることがあります。また、年収が業績に左右されない安定性や、退職時期を自由に選べる点もメリットです。ボーナスが出ない会社から転職する最適なタイミングは?
賞与がない会社であれば、ボーナス支給時期を気にする必要がありません。転職市場が活発になる1〜3月、7〜9月に合わせて動くのがおすすめです。20代であれば求人数も多いため、思い立ったときが最適なタイミングとも言えます。まとめ
賞与なしの会社で働く20代が押さえるべきポイントを整理します。
- 実態を把握する:中小企業の約3割はボーナスなし。まずは自分の年収総額を同業他社と比較する
- 権利を確認する:就業規則や労働契約の内容次第では、賞与不支給が違法になるケースもある
- 判断基準を持つ:年収総額・昇給実績・スキル・業界の将来性・3年後の自分、の5軸で冷静に判断する
「賞与がないから」という理由だけで焦って転職する必要はありません。ただし、年収総額が市場価値を下回っていて、改善の見込みもないのであれば、20代のうちに動いたほうが選択肢は広がります。
まずは転職エージェントに相談して、あなたの経歴でどのくらいの年収が狙えるのかを確認してみてください。無料で相談できるので、転職するかどうか迷っている段階でも問題ありません。
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